お疲れさまです。
40代・「現役」介護福祉士の渡邊です。
「介護の仕事リアルな体験談」第四弾は「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」です。
この記事ではサービス付き高齢者向け住宅で勤続3年目の、Iさん(女性:50代)の体験談をご紹介します。
この記事を読み終えるころには、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住専属)で介護職として働くということはどういうことなのか?ということを理解していただけます。
Iさんは以前僕が勤めていた特別養護老人ホーム(特養)で一緒に働いていた方です。
介護の仕事未経験のボクに時に厳しく、時に優しく、介護の基本を教えてくださった大先輩です。
それでは、40~60代の介護職未経験の方も多く働かれている、サービス付き高齢者向け住宅でのI さんの体験談をご紹介します。
サービス付き高齢者向け住宅で介護職として負担少なく働いているリアル体験談
はじめまして、Iです。
まず、私が介護業界へ足を踏み入れることとなった経緯をお話しします。
高校卒業後ファッション系の専門学校に進学。
卒業後アパレル業界に就職しました。
そこで旦那と出会い、結婚して退職。
息子と娘をもうけました。
子供二人が成長するにつれ食費・教育費などがかさみ、旦那の給料だけでは生活していくことができなくなってしまったため、再び働くこととなりました。
アパレル業界への復帰を考えましたが、30歳を過ぎていたこともあり再就職は困難でした。
採用条件を満たしていても給料が極端に安い。
そこで、無資格・未経験の女性でもある程度の金額を稼ぐことができる、介護業界に足を踏み入れることを決断しました。
はじめての介護の仕事は介護老人保健施設(老健)でした。
入職してしばらくの間は働きやすい環境であったため、転職するつもりはありませんでした。
しかし、施設長が変わり、職場環境が一変(不自然なまでの経費削減など)してしまったため、10数年間勤めた老健を退職することになりました。
その後、ハローワークで紹介された特別養護老人ホーム(特養)に転職。
そこで渡邊さん(ボク)と知り合いました。
その特養はブラックな施設であったため、給料が安いうえに激務でした。
当時40代後半であった私には心身ともに厳しく、約2年で退職をしてしまいました。
しかし、まだ下の子(娘)の大学の学費を稼がなくてはなりませんでした。
前回の転職はハローワーク頼みので失敗をしてしまいました。
そこで、ネットで介護系の転職についていろいろと調べて見つけた、介護職専門の転職支援サイトを利用しました。
今回の転職では絶対に失敗したくなかったため、3サイトに登録して各スタッフの方の対応を吟味しました。
そして、一番私の話に耳を傾けてくれて、熱心に相談に乗ってくださったかいご畑の専属キャリアアドバイザーの方に、転職のお手伝いをお願いすることに決めました。
キャリアアドバイザーの方に少し贅沢すぎるかな?と思えるほどの希望条件を加味して紹介していただいたのが、現在も務めているサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)です。
高待遇で職場の人間関係もよくとても満足しています。
サービス付き高齢者向け住宅の待遇面
給料面では特養(特別養護老人ホーム)の時と比べると、月収は約5万円UPしました。
具体的には、
特養:月収約18万円(夜勤手当込みの手取り)
サ高住:月収約23万円(夜勤手当込みの手取り)
待遇面でも恵まれていて、毎年必ず昇給があります。
また、残業理由を申請すれば手当を15分刻みでもらえるため、サービス残業はほとんどありません。
恵まれた環境のためか人間関係も良く、離職率は低いです。
ほとんどの方が5年以上の勤続年数です。
ブラックだった特養の離職率は非常に高く、1年以上勤めている人が少ないぐらいでした。
私は介護職歴20年以上ですが、現在勤めているサービス付き高齢者向け住宅には、40~60代・介護職未経験だった方々も多く、皆さん明るく元気に働いています。
サービス付き高齢者向け住宅の勤務体系
年間休日数は120日です。
介護業界ではトップクラスの休日数だと思います。
ちなみに、ブラック特養時代の年間休日数は100日以下でした。
有休も希望通りにとることができます。
子供がいる女性には特にありがたい環境です。
サ高住専属の勤務は、シフト制の不定休(4週8休)です。
・「早番」7:00~15:00
・「日勤」9:00~17:00
・「遅番」11:00~19:00
・「夜勤」17:00~9:00
の4交替制です。
以前勤めていた老健(介護老人保健施設)や特養も4交替制で、似たような勤務時間であったため抵抗はありません。
休憩時間は早番・日勤・遅番は60分、夜勤は120分きっちりとれます。
サービス付き高齢者向け住宅での仕事内容
私は(注)サ高住専属の職員として採用されていますので、その仕事内容を説明します。
(注)サービス付き高齢者向け住宅の介護職としての配属は、
・サ高住専属 の3つに大きく分けられます。 詳しくは「40代でサービス付き高齢者向け住宅で働くメリットとデメリット」という記事で解説していますので、そちらをお読みください。 |
入居者の方は介護度が軽い(自立~要介護2)方々です。
認知症の方も入居されていますが軽度の方のみです。
そのため、基本的な仕事は「生活相談」と「安否確認」です。
仕事内容を具体的に解説します。
1:「生活相談」=生活するうえでの困りごとの対応
・眼鏡が無くなってしまって見つからない。
・電球が切れてしまったので交換してほしい。
・病院を受診したいのでタクシーを手配してほしい(付き添いをしてほしい)。
・便秘が続いていて苦しいのだがどうしたらいいか(看護師へ連絡)。
・介護保険の制度について知りたい(介護度が上がってしまったどうなるのか?など)。
・併設の訪問介護やデイサービスを利用したいがどうしたらいいか。
・金銭面や家族との人間関係について。
などに対応しています。
私の勤めるサ高住は医療面のサポートに力を入れているため、体調の悪化など医療的対応が必要な場合は、24時間常駐している看護師の方に報告し対応をしてもらっています。
訪問介護やデイサービスの利用などは、併設する居宅介護支援事業所のケアマネージャーに連絡し対応をお願いします。
なかには「さみしくて話をきいてほしい」ためにナースコール呼び出される方もいらっしゃいます。
そのような場合は居室でお茶を飲みながらしばらくお話をします。
特養や老健では考えられなかった、「寄り添う」時間を持つことができています。
2:「安否確認」=朝、昼、夜の食事前後の居室訪問やインターフォンでの安否確認
夜間は基本ナースコールが鳴った時のみの対応となります。
ですが、疾患などにより体調に変化がある方は定時に居室訪問をして安否確認を行っています。
入居者の方は介護度が軽い方々であるため、サ高住専属職員としての仕事の中心は、特養(特別養護老人ホーム)などの介護施設とは違い、「排泄介助」「入浴介助」「食事介助」の三大介護ではありません。
定期的な介護が必要な方は併設する訪問介護事業所と契約し、訪問介護を依頼するのです。
ただ実状としては、部分的な介護(トイレ介助や汚れてしまった衣類の着脱介助など)をしているのが現状です。
ですが、特養や老健と比べれば、介護職としての身体的な負担はあきらかに軽いです。
私自身は現在のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)で働くことができ、「めぐまれた環境で本当にありがたい」と思っています。
ただ、40代・介護職未経験の方全員にお勧めであるとは言い切れません。
介護業界でどのように働いていきたいか?によって、お勧め度は変わってくるからです。
「心身ともにハードな介護の現場は避け、一つの職場で落ち着いて安定して仕事をしたい」。
と思う方には、私の勤めるようなサ高住の現場はお勧めです。
ですが、
「未経験の介護の現場ではじめは多少大変でも、基礎をしっかりと学んでステップアップをしていきたい」
と思う方には、介護老人保健施設や介護付き有料老人ホームでの仕事のほうが向いていると思います。
まとめ
特養や老健とはまた違った、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)での介護の仕事。
その「サ高住専属」の職員の仕事内容がご理解いただけたと思います。
入居されている利用者の方々の介護度が軽い場合は、「安否確認」と「生活相談」が仕事の中心となります。
そして、使用者の方に寄り添った時間を過ごすことも可能です。
しかし、未経験の方が介護職として経験を積んでいくのには、少し物足りないかもしれません。
先を見すえた一つの考えとして、介護老人保健施設や介護付き有料老人ホームで数年経験を積んで資格を取得し、将来的に落ち着いて仕事をすることのできる「サービス付き高齢者向け住宅への転職」をする、という目標で働く方法もありだと思います。
ただし、介護業界で働きたいけれども、
体力的に介護の現場で働いていけるか不安。
心身ともにストレスが少ない環境で、ゆっくりと介護を学んで聞きたい。
という方には、サービス付き高齢者向け住宅への転職はオススメであるといえます。
介護業界へ転職してその先に何を求めるのか?
よく考えて転職先を選ぶようにしましょう。
サービス付き高齢者向け住宅での仕事は、施設介護の現場とは異なり多様性が強いです。
経営母体となる民間企業の運営方針によって、「介護職としての働き方」が大きく異なるのです。
さらに知りたい方は「知っておくべき「サービス付き高齢者向け住宅」で働くメリットとデメリット」で簡単に理解できるようまとめてありますので、そちらをお読みください。
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