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【実録】プレミアム介護付き有料老人ホームで働くリアル体験談

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渡邊

お疲れさまです。

40代・現役「介護福祉士」の渡邊です。

「介護の仕事リアルな体験談」第三弾は介護付き」有料老人ホームです。

 

介護付き有料老人ホーム編では、40代で介護職未経験の方にもわかりやすいように、「プレミアム」と「特養型」の2つの体験談をご紹介します。

2つの記事を読み終えるころには、介護付き有料老人ホームで介護職として働くということはどういうことなのか? ということが理解していただけると思います。


 

1つめのこの記事では、入居費用が3,000~8,000万円、月額利用料が25~60万円の「プレミアム介護付き有料老人ホーム」といわれる高級介護施設で働いているKさん(39歳:男性)の体験談を紹介します。

ボク自身も現在、高待遇で働きやすい介護付き有料老人ホームで働いていますが、客観性に欠けると思われたため、他の方に体験談をお願いしました。

Kさんは介護職歴が長く経験豊富な方で、以前ボクが勤めていた特養(特別養護老人ホーム)で大変お世話になったリーダーの方です。

それでは、よろしくお願いします。

 

「プレミアム介護付き有料老人ホームはどんな感じなの?」Kさんのお仕事体験談

はじめまして。
Kと申します。

私は高校卒業後、介護系専門学校に通い介護福祉士を取得しました。

専門学校卒業後、はじめて就職した介護の現場は特別養護老人ホーム(特養)でした。

特養を選んだ理由は、忙しい現場ですが介護職としてしっかりと経験を積め、給料もそこそこ頂くことができるからです。

介護の現場は特養を2か所、老健(介護老人保健施設)を1か所経験しています。

現在勤めるプレミアム介護付き有料老人ホームは勤続2年目です。

この職場を選んだ理由は、下世話な話ですがやはり重要な部分である、今までより(*)「はるかに高い給料」がまず1つ目に上がります。(*)年収:約450万円=月給:約30万円(夜勤の回数により変化)+ボーナス:基本給2.5ヵ月×2回。

その他の理由として、今まで働いたことのないタイプの施設で働いてみたいと思ったことと、特養や老健よりも身体的な負担が少ない、ということがあげられます。

現在勤める介護付き有料老人ホームは、介護職専門の転職エージェントスマイル SUPPORT 介護に登録し、専属のアドバイザーの方に紹介していただきました。

待遇・人間関係ともよく、働きやすい職場で満足しています。

ようやく気持ちの余裕ができたので、来年はケアマネージャーの資格を取得するために勉強中です。

 

介護付き有料老人ホームの勤務体系は?

年間休日数は112日です。

介護業界では多い休日数です。

基本的に有休も希望通りに取れ、消化することができています。

勤務はシフト制の不定休(4週8休)です。

・「早番1」6:30~15:00
・「早番2」7:30~16:00
・「日勤」8:45~17:15
・「遅番1」10:30~19:00
・「遅番2」11:15~19:45
・「夜勤」16:45~9:15

の6交替制です。

6交代制であるということは、それぞれに仕事が異なり、覚えるべき仕事も多くなるということです。

特養や老健は4交替制であったため、はじめは慣れるのが大変でした。

ですが6交替制に慣れてくると、こちらのほうが利用者の方からのニーズに細かく対応でき、働きやすいということが分かりました。

全ての介護付き有料老人ホームが6交代制というわけではありません。

経営母体である民間企業の運営方針によってシフトは異なります。

私の働く有料は手厚い人員体制を売り文句にしているため、人員配置は2:1(利用者の方2名にたいして職員が1名という比率。特養や老健の人員配置は3:1が基本)です。

職員数が多いため気持ちに余裕をもって仕事ができています。

 

介護付き有料老人ホームでの仕事内容は?

入居されている利用者の方々が自立~要介護5と幅広いため、特養(特別養護老人ホーム)老健(介護老人保健施設)とはまた違う対応が必要とされます。

認知症の方も入居可能(相談可)ですが、特養のように異食(食べ物ではないものを食べてしまう)や徘徊(ひたすら歩き回る)をされるような重度の方はいらっしゃいません。

しかし、だから仕事が楽かといえばそうではありません。

自立~要支援レベルの、社会的地位の高かった利用者の方々からのサービスに対する評価は厳しいです。

また、要介護の利用者の方であっても、頭がクリアでしっかりとした方が多いため、「ちょっと待っててください」といって対応を後回しにして、仕事に追われて忘れてしまう……ということは許されません。

「あのスタッフは信用できない」
「いい加減な対応をされた」
とすぐにクレームとなってしまいます。

仕事内容は要介護の方の「排泄介助」「入浴介助」「食事介助」の三大介護と、自立~要支援レベルの方々の生活全般のお手伝い(お買い物の同行・相談業)や、娯楽設備の準備(映画鑑賞時のモニターのセット・カラオケのセッティング)などと幅広いです。

ちなみに、施設内の掃除やクリーニングは業者委託のため、介護職員の仕事ではありません。

 

プレミアム介護付き有料老人ホームでの三大介護

排泄介助について

利用者の方の介護度は幅広い(自立~要介護5)ため、排泄介助の方法も様々です。

「自立」の方には、主に排泄状態の確認(便秘ではないかなど)をおこないます。

「要支援」の方には、尿とりパッドやリハビリパンツの在庫の有無の確認などをおこないます。

「要介護」の方には、(*1)トイレ誘導や(*2)オムツ交換をおこないます。

 

特養(特別養護老人ホーム)老健(介護老人保健施設)の時と比べると、トイレ誘導やオムツ交換に割かれる時間と労力は少ないです。

(*1)尿意便意があいまいでも、立位が安定して保てる方はトイレ誘導を行い、汚れたリハビリパンツ(紙パンツ)やパッド(尿漏れパッド)の交換を行います。

トイレ動作が自立されている方に対しては、デリケートな部分であるため気を配りながら声掛けをおこない、リハビリパンツや布製のパンツの汚れがなかったかの確認をおこないます。

 

(*2)オムツ交換とは汚れたオムツを外し、陰部を温かい清拭タオルやぬるま湯で洗浄し、きれいなオムツに付け替えることです。
トイレでの排泄が困難な方はベッド上でオムツ交換をおこないます。

少しでも立位が保て(立っていることができ)て、尿意便意(排尿排便の感じ)がじゃっかんでもある方は、機能訓練という意味からも、トイレでおむつ交換をおこないます。

その際には、オムツを外し、便座に座っていただき、自力での排泄の有無を確認します。
その後ふたたびオムツを着用していただきます。

特養のように認知症の方の弄便(ろうべん:便いじってしまうこと)行為で、大惨事(便まみれ)になってしまうことはほとんどありません。

社会的地位が高かった方が多いため、プライドを傷つけないよう「排泄」というデリケートな介助にはとても気を使います。

 

入浴介助について

 

入浴介助が必要な利用者の方が入浴できるのは、一週間に3回(3日)です。
(自立の方は希望日に入浴可能です)

特養や老健は基本2回/週であったため、入浴介助の機会は増えました。

ですが、介助量が多い利用者の方は少ないため入浴介助の時間は短く、体の負担は少ないです。

介護職として当たり前のことなのですが、正直、特養や老健のときよりも、気をつかいながら介助をしています。

具体的には、

同性入浴介助の徹底。
=特養や老健でも基本はそうなのですが、曖昧な部分がありました。
=利用者の方によっては介助する職員を指名されるため、可能な限り対応しています。

衣類が傷まないよう丁寧に取り扱う
=特養や老健のように、スエットのかぶり物の衣服を着ている方は、ほとんどいらっしゃいません。

ボタン付きのシャツ・ブラウス(シルクの方もいらっしゃいます)が部屋着の中心で、男性の利用者の方の場合は、チノパンやスラックスを履かれています。

衣類を傷つけたり、ボタンが取れて紛失してしまわないよう注意をしています。

高価な腕時計などをされている場合は取り扱いに注意する。
=更衣室備え付けの貴重品BOXへの出し入れを必ず立ち会って確認をしています。

洗身、洗髪介助はより丁寧におこないマメに声掛けをおこなう。
=洗身、洗髪介助時の力の加減、シャワーの温度の確認などをこまめにしています。

=整髪料をつけている方は二度洗いを希望されるため対応をしています。

=施設の勉強会でヘッドスパの講習があったため参加し、基本的な技術を身に付けました。
洗髪介助の時に希望される方には、サービスを提供させて頂いています。
ヘッドスパの講習会があるなどは、プレミアム介護付き有料老人ホームならではと思います。

=備え付けのボディーソープではなく、持参された高価なものを使用される方もいらっしゃいます。
使いすぎてしまわないよう注意をする必要があります。

浴槽につかる時間は利用者の意思が第一優先。
=ですがのぼせてしまう可能性があるため配慮が必要です。

というような対応が必要です。

プレミアム介護付き有料老人ホームでの入浴介助は、身体的な負担は少ないですが、より質の高い介護サービスを提供するという気配り、精神的な負担は、慣れるまではきついかもしれません。

しかし慣れてしまえば、より質の高い介護サービスを提供することができる介護職員となることができるでしょう。

 

食事内容と食事介助について

高級介護付き有料老人ホームで非常に特徴的なのが「食事」です。

水・お米(特A評価米)・野菜・魚・肉・果物、すべて産地・調理方法にこだわっています。

食事は専属のシェフが調理し、朝は和食(お米)・洋食(パン)・中華(中華粥)の3種類から選べ、昼と夕は7~8種類のメニューから選ぶことができます。

これは、特養や老健では考えられなかったことです。

昼か夕食のみ選択食で、2種類のメニューから選べるというのはありましたが、朝食から3種類選べ、昼と夕は毎日7~8種類のメニューから選べるという幅広さです。

また10時のお茶は玉露が出され、15時のおやつは高級和菓子や、専属のパティシエが作成したスイーツが提供されます。

高額な一時金と月額利用料を必要とする、プレミアム(高級)介護付き有料老人ホームでならではのサービスです。

自立~要支援の一部の方は自室(個室)で召し上がられるため、お部屋にお食事をお持ちします。

これは特養や老健ではなかったことです。

あったとしても、利用者の方がインフルエンザなどの感染のリスクが高い状態で、隔離が必要な特別な場合のみです。

集団でお食事をされるスペース(ダイニングルーム)は、まるで高級レストランのようです。

食事介助の方法は特養や老健とは変わりません。

食事形態は利用者の方のそしゃく(食べ物をかみ砕く)と嚥下(食べ物や水分を飲み込む)状態によって異なります。

常食(普通の食事形態)の方は5~6割程度で、きざみ食(食べやすく刻んだ物)、ミキサー食(ミキサーにかけて液状にした物)などの介護食の方もいらっしゃいます。

介護度が高い方で自力摂取をできない利用者の方もいらっしゃるため、そのような方々は同じテーブルについていただき食事介助をおこないます。

ただし、食事介助をおこなう介護職員の数は、プレミアム介護付き有料老人ホームならではの手厚さです。

特養や老健の時の1.5~2倍の介護職員数です。

そのため、一人ひとりの利用者の方に対して、落ち着いて食事介助をすることができます。

 

 

プレミアム介護付き有料老人ホームでの認知症介護

私の勤めているプレミアムといわれる介護付き有料老人ホームでは、認知症の方の受け入れも相談可(入居可)ではありますが、特養や老健のように問題行動の多い「重度の認知症」の方はいらっしゃいません。

ただ、自身のお部屋がわからなくなってしまい、他の利用者の方のお部屋に入られてしまう(他室訪問)ことが時々見られます。

このことは特養や老健ではよくみられ、クレームもありましたが大事にはなりませんでした。

しかし、プレミアムといわれる介護付き有料老人ホームに入所されている、社会的地位の高い「自立~認知症症状のみられない要支援」レベルの利用者の方の中には、認知症の方の他室訪問を非常に嫌がられるかたがいらっしゃり、厳しいクレームとなってしまいます。

当然といえば当然のことなので、双方に不快な思いをさせてしまわないよう、認知症の方の他室訪問に関しては特に注意をしています。

 

特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・プレミアムといわれる介護付き有料老人ホームの3施設で働いてみて

公的な介護施設「特別養護老人ホーム介護老人保健施設」と、民間企業の運営するプレミアムといわれる介護付き有料老人ホームの最も大きな違いは、入居されている利用者の方の「社会的地位の高さ」(職業・収入・生活水準)の違いです。

高額な入居費用を払うことができる、社会的地位の高い入居者の方々はプライドが高い方が多く、高い介護技術と接遇(マナー)を求められます。

特養や老健の利用者の方々への対応とはまた異なる、独特な緊張感があります。

就職したての頃は正直、精神的にとても疲れました。

ですが現在はこの状況にも慣れ、高待遇な環境に満足しています。

介護付き有料老人ホーム全てにいえることではありませんが、私の勤める有料は身体的な負担が特養や老健よりだいぶ軽いです。

このことは今後50、60歳になっても介護職を続けていけると思え、大きな励みにもなっています。

将来的にはケアマネージャーの資格を取得し、相談・事務中心業務へと移行したいとも考えていますが、いままでの経験を活かしてフロアリーダーとなり、介護の現場で働き続けたいとも思っています。

 

まとめ

特養や老健とはまた違った、プレミアム介護付き有料老人ホームでの介護のお仕事。
その内容をご理解いただけたと思います。

利用者の方の介護度が幅広いため、臨機応変に対応する必要がありますが、介護時の身体的な負担は特養や老健に比べると少ないといえます。

ハードな現場で短期間に介護技術を身につけるというよりも、ある程度時間をかけて幅広く質の高い介護技術を身につけていくという感じです。

高待遇な介護付き有料老人ホームは非公開求人である場合がほとんどです。

介護職専門の就職・転職支援サイトに登録し、専属のアドバイザーの助けを借りることが、高待遇な介護付き有料老人ホームで働くための近道だといえるでしょう。

渡邊

40代・介護職未経験・無資格ではあっても、それまでの社会・人生経験を上手にアピールすれば、採用してもらえる可能性もあります。

年齢や未経験を理由に、高待遇で働きやすい介護の仕事をあきらめてしまう前に、かいご畑などの無料で利用できる介護職専門の転職サービスを上手に利用して、チャレンジしてみる価値は十分にあると思います。

 

>>プレミアム介護付き有料老人ホームとはまた違う、「特養型」介護付き有料老人ホームでの体験談を知りたい方は「【実録】特養型の介護付き有料老人ホームで働くリアル体験談」をお読みください。

>>介護付き有料老人ホームで40代・介護職未経験・無資格の方が働くメリット・デメリットについて簡潔に知りたい方は「介護職未経験者が「有料老人ホーム」で働くメリットとデメリット」をお読みください。

 


 

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