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【実録】40代・介護職未経験で「デイケア」で働くリアル体験談

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渡邊

お疲れさまです。

40代・「現役」介護福祉士の渡邊です。

「介護の仕事リアルな体験談」第六弾は「デイケア(通所リハビリテーション)」です。

デイケアの体験談はボクの奥さん(Y子さん:43歳)に話してもらいました。

 

Y子さんは2年ほど前から老人保健施設に併設されたデイケアで働いています。

この記事を読むことにより、Y子さんの日々のリアルな体験談から、老人保健施設有料老人ホームなどの入所型施設とは違う、「利用者の方が自宅から通う」通所系の介護サービスである、デイケアでの介護職業務の現実を知ることができます。

ちなみにデイケアとは、在宅⇔介護施設へ送迎付きの「日帰り」で受けられる通所型介護サービスの一つです。

なので勤務は日勤のみです。

お子さんがいるなど事情があって夜勤ができない方、前職がブラックすぎて体調を崩してしまい夜働くこと(夜勤)は避けたい方にはデイケアでの仕事がお勧めです。

それでは、よろしくお願いします。

 

デイケアで働くこととなった経緯

Y子さん

はじめまして。

渡邊の妻のY子(43歳)です。

デイケア勤務2年ちょっとの新米介護職員です。

私の体験談があなたのお役に立つことができれば幸いです。

よろしくお願いします。

 

私たち夫婦には高校生の息子と中学生の娘の二人の子供がいます。

これから学費など非常にお金がかかる時期です。

渡邊がブラック企業に勤めていたころから、コンビニで1日4時間・3回/週のパートで働いていました。

ですが、息子の大学進学と娘の私立への高校進学を見すえ、我が家の経済計画を見直したところ、このままではお金が追い付かないということがわかりました。

夫婦で話し合った結果、私も常勤として働くということを決断しました。

そして、どうせ働くならば、年収130万円未満の扶養内でパート職員として働くよりも、年収160万円以上稼げる仕事=正社員としてやとってもらえる仕事について、総世帯収入をワンランク上にアップさせようということになりました。

ですが、元劇団員であった私にはアルバイトとパートの経験しかなく、40代で正社員として雇ってもらえるような強い資格は持っていません。

そこでたどり着いたのが、40代・未経験・無資格でも正社員としての道が開かれている介護業界で働くという答えでした。

そのことに異論はありませんでした。

ただ、夜働くことが苦手なことと、子供たちに食事はちゃんとしたものを作って食べさせてあげたいという思いから、夜勤のないデイケアを選ぶこととなりました。

同じ夜勤のない通所系の介護サービスである、デイサービス(通所介護)を選ばなかったのには深い理由はありません。

デイケアがよくてデイサービスはダメということは全くありません。

>>デイサービスとデイケアの違いについて詳しく知りたい方はこちら
介護職未経験者でもわかる「デイサービスとデイケア」3つの違い

デイケアの待遇面について

給料

介護職未経験・無資格・派遣での給料は約18万円/月でした。

実務者研修の資格を取得し、改めて正社員として採用していただいた現在の給料は約21万円です。

デイケアは夜勤がないため、夜勤手当がつきません。

それで21万円は比較的よいほうだと思います。

基本的に実務者研修の資格取得には10~20万円ほどの費用がかかります。

ですが、私は介護職専門の転職支援サービスサイトの「かいご畑」に派遣スタッフ登録をして仕事を決めたため、実務者研修を「無料」で資格取得を取得することができました。

ちなみに、介護職未経験・無資格の方が取得できるメジャーな介護系の資格には、「介護職員初任者研修」と「実務者研修」の2つがあります。

介護の基礎を学ぶのが介護職員初任者研修、介護の基礎+応用を学ぶのが実務者研修です。

まず介護職員初任者研修を取得して、しばらく経験を積んでから実務者研修を取得するという方もいらっしゃいますが、40代介護職転職組の方にはこの方法はオススメしません。

その理由は、2回も資格取得のために時間と労力を割くよりも、1回で済ましてしまった方が心身への負担が少ないからです。

私は介護職員初任者研修をとばして実務者研修を取得しましたが、とくに不都合はありませんでした。

「ショートカットできてよかった!」というのが正直な感想です。

>>なぜ実務者研修を最初に取得すべきなのかの理由についてもっと詳しく知りたい方は「介護職員初任者研修と実務者研修」最初に取得すべきはどちら?をお読みください。

 

休日

年間休日数は120日です。

介護業界の休日数は105~112日が平均的なので、とても恵まれている休日数です。

子供関係のイベントなどでどうしても休日が割かれてしまうため、非常に助かっています。

デイケアデイサービスの通所系の介護職の方が、老人保健施設有料老人ホームなどの入所系施設で働く介護職の方よりも、年間休日数は多い傾向にあります。

 

残業

サービス残業は一月に7~8時間ほどです。

入所系の介護の仕事とは違い、通所系の介護の仕事は利用者の方が帰る時間が決まっています(送迎時間が決まっている)。

そのため、どうしても後回しにできる事務系の仕事(記録や送迎表の作成など)やレクリエーションの準備などは、送迎が終わってからといことになってしまいます。

残業申請は10分ごとにすることは可能ですが、送迎時に事故に巻き込まれたなどの突発的なことが起きない限り申請はしていません。

これは良くないことかもしれませんが、その他の部分では人間関係も良く、リーダーの方の面倒見もいいため目をつぶっています。

うちのデイケアではこのような感じですが、ほかのデイではサービス残業はがないところもあります。

その反対に、サービス残業は一月に30時間以上もあるデイもあるので、施設見学や面接のときには必ずその点を確認しましょう。

有休

有休は希望すればとることはできます。

ですが、育ち盛りのお子さんがいる女性職員の方が多いため有給申請日がかぶってしまい、希望通りには取りにくい時もあります。

 

その他

お昼は利用者の方と同じメニューの食事が無料で食べられます。

ご飯とお味噌汁はお替り自由です(男性職員の方は非常に助かるといっています)。

制服はポロシャツとチノパンが4枚ずつ支給され、クリーニングは業者依頼です(無料)。

毎日持ち帰って洗濯をする必要がないので、細かい点かもしれませんが助かっています。

 

デイケアの勤務体系

勤務は週休二日制です(4週8休)。

日曜日以外に、シフト制でもう一日休みがとれます。

うちのデイではリーダーの気配りで、全職員が一月に1回は連休(土日or日月)で休みがとれるようにシフトを組んでくれています。

勤務体制は日勤のみですが、

日勤①:8:00~16:30
日勤②:8:45~17:15

2交替制です。

一般的には8:45~17:15のみの日勤が多いのですが、うちのデイは利用者の方が50名/日と多く、送迎車4台を2~4回まわさなくてはならないため、2交代制になっています。

日勤のみのデイケア(通所リハビリテーション)勤務であっても、施設によって勤務時間は異なります。

デイサービス(通所介護)の場合は「お泊りデイ」という、夜勤も行わなくてはならない場合もあります。

働き始めてから「こんなはずじゃなかった!」ということにならないために、勤務時間(シフト)は必ず確認をしてください。

 

デイケアでの仕事内容

デイケアでの介護職のメインとなる業務は、

1:送迎業務
2:入浴介助・排泄介助・食事介助の3大介護
3:リハビリ補助
4:レクリエーション
5:送迎表の作成などの事務

の5つです。

それぞれの業務について、介護職未経験の方にも簡単に理解できるよう解説していきます。

 

1:送迎業務

入所施設での介護業務との最も大きな違いは「送迎業務」がある、ということです。

では、その送迎業務とはどのようなものなのか、具体的な流れを説明します。

 

その日通所される利用者の方の状況によって、各お家を回る順番・最適なルートを前日に計画しておきます。

▶大型ワゴン車での送迎の場合は、一回で6~8名の利用者の方を送迎します。

▶車いすに乗ったまま車の乗り降りができるよう、後方に昇降リフトが付いたハイエースなど大型ワゴン車にドライバーと補助員の2人で乗り込み、利用者の方のお家に向かいます。

▶基本的にドライバーの方は運転と昇降リフトの操作をおこない、補助員の方が利用者の方をお家⇔送迎車間の移動介助をおこないます。

▶一人暮らし(独居)の方や、高齢なご夫婦の二人住まい(老々介護)のお家も多いため移動介助をおこないます。

▶この時に入浴時に必要な着替えや、通所手帳(血圧などを書き込むもの)などの忘れ物はないかなどの確認をおこないます。

▶足の不自由な方の車の上り下り時には転倒・転落などの事故が起こりやすいため特に注意が必要です。

▶対象となる利用者の方全員に車に乗っていただいたら施設に向かいます。

このような流れが、基本的な送迎業務です。

お迎えに行った利用者の方が体調不良であったり、通所の準備ができていなかったりというイレギュラーなこともたびたび起こります。

入職したての頃はパニクってしまいましたが、いまでは「あ、そういうことですね。では……」と、冷静に対処できるようになりました。

デイ(デイケア・デイサービス)の送迎業務は、朝と夕の2回行えばよいという訳ではありません。

一般的な一日利用(6~8時間)・午前or午後のみの利用・2~4時間の利用と、利用者の方のニーズに合わせた対応をおこなう必要があります。

おもに男性の利用者の方は「リハビリのみ利用したい」という方が多いため、2~3時間の短時間利用となります。

そのため、必須なのではありませんが、送迎サービスの利用を希望される方には実施しています。

なので、デイケアでは送迎業務が大きなウエイトを占めているというのが特徴です。

 

 

入浴介助・排泄介助・食事介助の3大介護

デイケアの利用者の方はリハビリテーションを行うことによって、在宅生活を継続することを目的とされている方が多いです。

そのため、特別養護老人ホーム(特養)老人保健施設(老健)に入所されている方よりも、(*)介護度が低い(要介護1~3)方が多いのが特徴です。

(*)介護度(介護が必要な度合い)は軽いほうから、「要支援1・2、要介護1~5」となります。
つまり、要支援1の方が一番介護度が軽く、要介護5の方が一番介護度が重いといことになります。

デイケアにも要介護4~5レベルの利用者の方はいらっしゃいますが、入所施設に比べると少数です。

また、集団生活が困難な重い認知症の方はいらっしゃらないかごく一部です。

そのため、3大介護といわれる「排泄介助」「入浴介助」「食事介助」がメインの仕事の一つではありますが、特養や老健の介護業務ほど大変ではありません。

デイケアでの3大介護について具体的に解説します。

 

排泄介助

特養などの入所施設のようなベッド上で全介助でのオムツ交換が必要な方はごく一部です。

トイレ動作(ズボンの上げ下げなど)の一部介助や、「おトイレは大丈夫ですか?」と声掛けをおこなうレベルの介助がメインです。

トイレ動作が自立されている方も多いです。

 

入浴介助

特浴・機械浴対応が必要な介助量が多い方は少なく、洗身・洗髪・浴室内での移動動作の介助、更衣動作(洋服の着替え)の一部介助レベルの利用者の方が多いです。

 

食事介助

特養などの入所施設では自力でご飯を食べることがでない方=スプーンでお食事を口元に運んで食べていただく介助が必要である方が多いです。

デイケアの場合はそのような方はいらっしゃっても少数です。

お食事を配膳し、あとは摂取状態を見守る程度のレベルの方が多いです。

 

リハビリ補助業務

補助業務とはどのようなことをおこなうのかを解説します。

リハビリ設備の中の一つにホットパックという、腰痛やひざ痛などの患部を温める温熱療法の器具があります。

この器具は「気持ちいい」と大人気で、沢山の利用者の方が使用を希望します。

この器具の取り外し(簡単な作業です)をリハビリ専門職の方に代わっておこないます。

多くの方が利用するため、利用する順番を間違えないよう、時間内にリハビリが終了するよう、スムーズに業務が流れるように気を配る必要がります。

また、足の筋力や腕の筋力を維持・改善するための器具(マシーン)の乗り降りや着脱を、利用者の方が安全におこなえるように手伝ったり、見守りをおこなったりします。

このときに転倒・転落などの事故が起きやすいため、一人の利用者の方の対応をしながら、全体にも目を配るようにする必要があります。

平行棒という腰の高さほどの鉄棒が二本並んだような、歩くための訓練をする器具があるのですが、利用者の方が安全に訓練を行えるよう、リハビリ専門職の指示のもと歩行訓練の補助をおこないます。

リハビリを行う利用者の方の大きな目的の一つに「トイレに1人で行きたい」というものがあります。

デリケートな「排泄」というもので他人に手を借りたくない、他人に迷惑をかけたくないという思いが強いからです。

トイレに1人で行くためには、歩く能力の維持・向上が欠かせません。

そのために、歩行訓練を非常に熱心に・積極的におこなわれる利用者の方が多いです。

ただ、歩行訓練を積極的におこなうがあまりに、オーバーワークになってしまったり、能力以上の転倒の危険性が高くなるような歩き方をしてしまう方がいらっしゃいます。

そのような場合は、理学療法士や作業療法士の専門職の方の指示を仰ぎ、利用者の方に納得していただきながら、安全で効果的な歩行訓練が行えるよう補助をおこないます。

 

レクリエーション

レクリエーション(レク)は一般的な手芸(編み物・折り紙・籐細工)やカラオケ、散歩や映画鑑賞会、転倒予防体操、麻雀クラブなどをおこなっています。

曜日ごとにレクのプログラムが組まれていて、担当となった職員が実施します。

このレク担(レクリエーション担当)が苦手という職員の方もいらっしゃいます。

実は私もそうでした。

レクでは場を盛り上げるようなマイクスピーチを必要とされる場面が多々あります。

人前に立つ・目立つ行為は苦手なため、入職当初はレク担が本当に苦痛でした。

ですが、必ずレク担は回ってきます。

逃げ続けることはできません。

そこで、ネットで高齢者の方対象のレクに限らず、様々なレクネタの情報を集めました。

また、各地で週末に開かれるレクリエーションの勉強会にも参加したりしました。

その結果、現在では「Y子さん(私)のレクは面白いから人気があるよ」と利用者の方々に褒めてもらえるようになり、自信がつき、マイクパフォーマンスもだいぶ滑らかにおこなえるようになりました。

レクを行う上でアイデアはもちろん必要ですが、私自身が利用者の方と共にレクを楽しむことが大切なんだということを日々実感しています。

デイ(デイケア・デイサービス)ではレクが大変という話をよく耳にすると思いますが、結局は「場数・慣れ」です。

それに、ちょっと努力をしてレクのアイデア・レパートリーを増やせば、決して超えられない壁ではありません。

友人が行っている保険の外交のノルマに比べれば、心理的な負担は全然大したものではありません。

安心して大丈夫です!

 

送迎表の作成などの事務

送迎業務がスムーズにおこなえるよう、利用者の方のお家を回る順番・ルートを考え、送迎表をパソコンで作成する業務です。

その日によって通所される利用者の方は異なるため、ミスがないようにおこなわなくてはならない責任ある業務です。

送迎表の作成以外の事務作業では、利用者手帳にデイケア来所時に測定した血圧や体温、ご利用時の様子、行事の開催などのご家族への連絡事項を記入する業務があります。

うちのデイではパソコン入力ですが、手書きで記入するところもあります。

特別養護老人ホーム有料老人ホームなどの入所施設での介護とはまた違う、通所施設であるデイケアの現場。

夜勤手当がつかない分、給料は低くなってしまうというデメリットはありますが、夜勤をしないため体調が崩れにくいというメリットもあります。

このメリットは40代の方にとっては非常に大きいと私は感じています。

・夜勤はできればしたくない。

・忙しい介護の現場では体力的についていけるか不安……。

・余裕をもって介護の資格を取得していきたい。

そのような方には、デイケアデイサービスという「通所」という介護の現場があるのだということを、知っておいていただきたいと思います。

私はデイケアという現場にめぐり合い、40代・未経験・無資格からでも正社員として働けて、安定した収入を得ることができて、本当に良かったと感謝しています。

 

まとめ

高校卒業後、小劇場の劇団員とパート経験しかなかった僕の奥さん(Y子さん)が、40代で介護職全くの未経験、無資格で飛び込んだデイケアの現場。

ブラック施設を経験した介護職5年のボクから、楽ではない仕事であるとはきいていましたが、いい意味で不安は裏切られたといっています。

デイケア入職当初は大型送迎車の運転に冷や汗をかいたり、三大介護で汗だくになったり、レク担で胃が痛くなるような思いもしていました。

ですが、約2年経った今では「この仕事ってわたしにあってる!」と言い、以前より性格も明るくなったと思います。

基本的に介護の現場は女性が多いのですが、デイケアは特に育ち盛りのお子さんを抱える女性が多い職場です。

そのため、女性はお互いの苦労・生活の大変さを理解し合え、助け合える環境なのではないのでしょうか。

だからといってデイケアでの仕事は男性の方には向いていない、という訳では決してありません。

介護度の重い体の大きな利用者の方の排泄介助や、同性介護が必要な入浴介助の時などは男性職員の存在が欠かせません。

渡邊

さまざまな事情で夜勤ができない、夜働きたくない、だけれど介護の仕事をやりたいと思う方にはお勧めの職場です。

 

>>「デイケア」と「デイサービス」の違いについて詳しく知りたい方は【介護職未経験者でもわかる「デイサービスとデイケア」3つの違い】をお読みください。

 

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