40代の介護職転職 種類別介護の仕事

40代・介護職未経験者が「病院」で看護助手として働くメリットとデメリットとは?

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渡邊

お疲れさまです。

40代、「現役」介護福祉士の渡邊です。

この記事では「病院」を40 代・介護職未経験・無資格の方が転職先として選ぶうえで、知っておくべき「メリットとデメリット」について簡単に理解できるよう解説しています。

 

ボク自身は病院では働いたことがないため、病院での介護職歴2年のKさんにお話をきかせていただきました。

Kさん(42歳:男性)は大学卒業後、そこそこ名の知れた大企業で営業職に就き7年間勤めましたが、激務により心身に不調(片頭痛の悪化と自律神経失調症)をきたし退職。

約1年間静養後、介護業界へ転職。

特別養護老人ホーム(特養)で2年間、老人保健施設(老健)で4年間経験を積まれ、その後【*】療養型病院(療養型病床)に転職し2年働き、現在はボクの勤める介護付き有料老人ホームに3年務めている、いろいろと経験し乗り越えてきたベテラン介護福祉士です。

それでは、よろしくおい願いします。

【*】療養型病院(病床)とは、医療的な対応が必要な介護度の高い高齢者の方が入所する医療施設のこと。
国は廃止を決定しましたが、まだまだ存続の必要性があるのが現状です。

 


はじめまして。
Kと申します。

療養型病院で介護職(看護助手)として約2年間働いた経験から、病院で介護職として働くメリットとデメリットについて話させて頂きます。

こういう事ははじめてなので、話がうまく纏まっていないかもしれませんが、なにとぞご容赦ください。

よろしくお願いいたします。

 

40代・無資格・未経験の方へのオススメ度

★★/5段階評価

40代・介護職未経験・無資格であえて「病院」を転職先に選ぶ必要性はないといえます

 

40代・介護職未経験・無資格で病院で介護職として働く「メリット」

 

医療的な介護知識を深められる

ひとえに病院での介護職の仕事といっても、病院の種類(療養型・回復期・急性期・整形・リハビリ専門・精神など)によって、業務内容はかわってきます。

ただ、介護施設の違いとしていえることは、病院は介護をメインとした介護施設とは違い、心身の状態を「医療で治療」して、改善・回復を図る現場であるということです。

そのため、介護職の仕事も医療の現場に密着した仕事内容となります。

病院での業務のトップは医師ではありますが、メインとなって現場を回すのは看護師の方々です。

その看護師の方の業務を日々手伝い、知識を教わることによって、医学的な根拠を持った患者さんへの対応方法を学ぶことができます。

具体例として挙げられるのは、介護度が重い高齢者の方にとって大きな問題となる褥瘡(じょくそう=床ずれ)問題についてです。

特別養護老人ホーム(特養)老人保健施設(老健)でも、看護師の方が褥瘡の処置をします。

ですが、病院では褥瘡の重症度や処置の必要な患者の方の数が違います。

特養や老健で褥瘡が酷くなり、治療のために病院に入院される高齢者の方もいらっしゃいます。

多くの方の褥瘡処置の補助をおこない、処置の方法・改善させるために必要なこと・再発させないための予防知識を学ぶことができます。

また、看護師の方の勉強会にも希望すれば参加することができるため、医療的な根拠のある介護知識を身に着けたい方には向いている職場といえるでしょう。

40代でも更なるステップアップを望み、看護師(準看・正看)への道を進もうと考えている方にも、病院で働く介護職(看護助手)の仕事は向いているといえます。

看護師になることによって給料のUPが望めますし、職場選びの選択肢も増大します。

大変な道のりではありますが、チャレンジしてみる価値はあります。

 

身体介護スキルを磨ける

病院での介護業務のメインとなるのが、3大介護といわれる「排泄介助」「入浴介助」「食事介助」です。

介護施設のようなレクリエーション・季節ごとの催し物の企画のための委員会・ケアプランの作成やサービス担当者会議への出席などはありません。

利用者の方々の身体介護=3大介護が日々の仕事なのです。

それでは病院での3大介護について、具体的に解説します。

 

排泄介助

医療的な対応が必要な状態の安定しない方、介護度の重い方が多いため、ベッド上全介助でのオムツ交換が中心です。

状態が改善した方はトイレに誘導し、便座への移乗・ズボンの上げ下げなどの介助をおこないますが少数です。

状態がある程度改善された方は自宅もしくは、特養や老健などの介護施設に退院されるからです。

 

入浴介助

機械浴(電動リフトなどの機械がついた浴槽)対応が必要な、介護度が重い方多いです。

大型浴槽に入れる方でも、衣類の着脱・洗身・洗髪・浴室内の移動介助に注意が必要な方がほとんどです。

そのため、入浴介助技術をしっかりと学ぶことができます。

 

食事介助

鼻から管をお通したり(経鼻)、腹部に穴をあけて直接胃に管を通したり(胃ろう)して食事をおこなう=経管栄養の利用者の方が圧倒的に多いのが、療養型病院の特徴です。

経管栄養の準備と洗浄も看護業務補助としての仕事になります。

また、特殊な食事形態=ミキサー食(ミキサーで細かく砕いた食事形態)やペースト食(ドロッとしたペースト状の食事形態)の方に、スプーンで食事を口に運び、飲み込む状態を確認する食事介助も多いです。

食事を自力摂取される方は少ないです。

病院・病棟にもよりますが、私の勤めていた病棟では居室に食事を配膳し、ベッド上で食事介助をおこなっていました。

そのため、特養や老健では必須である、利用者の方の食堂への誘導が必要ない=ベッド⇔車いすへの移乗介助は食事の時には必要ありませんでした。

 

夜勤の時も看護師の方が多くいるので安心

特養や老健の夜勤時にも看護師の方はいらっしゃいますが少数です。

ですが、病院は医療の現場であるため、看護師の方が夜勤時も多く働いています

夜間の排泄介助などの一般的な介護業務時に一緒に働いてくれるので助かることももちろんですが、なによりも患者さんの急変時(心身の状態の急激な変化)や、転倒やベッドなどからの転落などの事故の時に看護師の方がすぐに駆け付けてくれて、素早く医療処置をしてくれるというのは非常に心強いです。

 

40代・介護職未経験・無資格で病院で介護職として働く「デメリット」

給料が介護施設勤務より安い傾向にある

一昔前までは病院勤務の介護職の給料は良いといわれていました。

ですが、現在はそれほどではないというのが現状です。

2013年に厚生労働省が発表した「医療経済実態調査」によると、日本の病院の約4割が赤字経営ということです。

経営主体別では公的医療機関(国立・公立の病院)の7割、医療法人でも3割が赤字経営であり、業界全体として厳しい状況にあるというのが現状なのです。

ということは、必然的に介護職の給料も高望みはできないというのが現実です。

実際私が2年間勤めていた療養型の病院は、仕事自体はそれほど大変ではありませんでしたが、給料は手取りで約18万円でした。

ちなみに、特養時代の手取りは約24万円でした。

 

立場的に看護師の方より下に見られやすい

病院での介護職の仕事は大きく2つに分けられます。

一つは3大介護といわれる「排泄・入浴・食事」介助業務です。

そしてもう一つが、「看護師の補助」業務です。

看護師の補助業務とは、

・検査や受診にいかれる患者さんの付き添い。

・医療処置(傷の手当など)の準備。

・処置で使用した医療器具の洗浄。

・点滴や経管栄養の準備。

などをおこなうことを指します。

そしてこの業務は、病院によっては介護職としての募集ではなく、「看護助手」として募集されるぐらいに多く重要な業務なのです。

そのためどうしても「看護師の指示のもと」介護職として働く、という傾向になってしまうのです。

これは病院で働く場合においては、看護師・介護士のもつ資格の性質上ある意味仕方がないことです。

看護師の方は医療行為をおこなえるため、より命に近い、責任の重い立場にあります。

そして、看護師は介護職と同じ介護業務はできますが、介護職は看護師のように医療行為を行うことはできません。

だからといって、介護職が看護師より立場が劣るという訳ではありません。

介護施設では病院よりも介護職の方が多く、仕事内容も医療ではなく「介護」に重きを置いたものになるため、介護職の専門性をより発揮できる立場にあります。

ですが、病院は医療の現場です。

そのため必然的に看護師の方が多く、医療職としての専門性を発揮できる現場であるため、介護職は看護の指示の下で働く看護助手的な立場にならざるを得ない、というのが現状です。

 

介護職としての実務経験に加算されないことがある

介護職としてステップアップをしていくならば、国家資格である介護福祉士の取得は必須です。

その理由は、さらに上の資格であるケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取るために、介護福祉士としての実務経験が受験資格として必要になるからです。

しかし、病院での介護職=看護助手としての業務は、場合によっては介護職の実務経験に加算されないことがあるのです。

介護福祉士の受験資格として必要な実務経験は3年です。

病院で介護職として3年働いたのに実務経験として加算されないため、介護福祉士の受験資格が得られない……というようなまさかの事態に陥らないために、もし病院で介護職として働く場合は「介護職としての実務経験として加算されるのか」を必ず確認する必要があります。

また、病院では介護施設のようにレクリエーションをおこなう必要が基本的にありません。

そのため、介護施設では必須といえるレクの技術が身につきません。

介護施設へ転職を希望する場合その点が不利になります。

介護保険下で提供されるサービスである、特養・老健・有料・デイサービスともケアプランの作成は必須です。

ですが、病院ではケアプラン作成の必要がありませんので、そのスキルを身につけることができません。

私は病院で介護職として2年間働きましたが、40代・介護職未経験・無資格の方がはじめての職場として病院勤務を選ぶのは、デメリットの方が強いと思います。

病院にもよりますので絶対ではありませんが、介護施設より仕事としては負担が少ないです。

ですが、給料もあまりよくありません。

介護の現場はたくさんあります。

将来的に「看護師」としての道を進みたいと考えている方以外は、あえて病院での介護職勤務を選ぶ必要性はないと思います。

 

まとめ

あたなが40代・介護職未経験・無資格で病院を転職先に選ぶ際の、メリットとデメリットをご理解いただけたかと思います。

病院勤務では、

・医療的な介護知識を深められる。

・身体介護スキルを磨ける。

・夜勤の時も看護師の方が多くいるので安心。

というメリットもありますが、その一方で、

・給料が介護施設勤務より安い傾向にある。

・立場的に看護師の方より下に見られやすい。

・介護の実務経験に加算されないことがある。

というデメリットもあります。

病院での介護職勤務について語ってくれたKさんの言う通り、一般的には40代・介護職未経験・無資格であえて病院を転職先に選ぶ必要性はないといえるでしょう。

渡邊

ただし、40代でも「看護師」というさらに上を目指したい、目指さして稼がなくてはならない必要性があるという明確な目的がある方には、看護助手として働きながら看護技術を学べる病院という現場は★★★★★のお勧めだといえます。

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